僕らが参加したのは「スコア」というカテゴリーで、2日間宿泊装備を背負いながら地図上に設定されたチェックポイントを自由なルートで獲得したりパスしたりして得点を競う内容。パートナーはOGAWANDの主。
11月末とはいえ一泊の低山山行には必要のない装備までルール上では携行を義務付けられているので個々のギアを少しずつコンパクト化。水を含まないパッキングウェイトで2.96kg。
真ん中が自分のMUON EXPEDITION、右は一緒に参加した友人のMUONカスタムバージョン
装備
– バックパック MUON EXPEDITION 19L + 急いで作ったボトルホルダー2本
– ポンチョにループを縫い付けた雨具兼簡易タープ
– グラウンドシート用にヒートシートブランケットをハーフカット
– GoLiteのダウンキルト
– 胸下長の自作ビビィ(ソフトタイベックで制作)
– 半身長クローズドセルマット
– ひざ上まで裁断して切り詰めたレインパンツ
– GREASE POT、鍋つかみ、エスビット燃料、五徳、風防、チタンスポーク
– キャプリーン4フーディ (伊豆なので悪天候でもダウンJKTまでは不要と判断)
– 女性用ストッキングを防寒タイツ替りに
– ビニール製の衛生手袋
– アンダーシャツ予備1枚
– ヘッドライト e+Lite
– コンパス SUUNTO M9
– ホイッスル
– ファーストエイドキット in TRAIL ZIP SACK Cuben
– ストック2本
食料
– もち米の干し飯とレンズ豆を2食+予備分
– 黒糖といちぢくのミックス行動食を2日分
– カーボショッツ2本、おにぎり2個
– コーヒー粉末2本、レモン酢、ラム酒を少々
– 水、1日目は1.5L、2日目は0.5L
1日目終了後の幕営風景。タープは上半身、ビビィで下半身を覆うミニマム幕営スタイル
走力だけでは勝てない「山の総合力」が問われるという前触れは聞いてはいたものの、やはり結局は走力次第だろうねと思いつつ、僕らはほぼいつもどおりのハイクスタイルで体力を追い込むようなことはせず、主に歩き、ところどころ走って、それでも結果としては30位でした。
スマホの性能があがる前までは地形図をたよりにトレイルを外れて歩くハイクが多かったので、今回は幸いにも一度もCPをロストすることなくすんなり見つけられたけれど、走力を活かして先行しながらもCPを探しだせずに彷徨って時間を浪費してしまうチームも多いようだった。地図読みスキルは意外にも人によってばらつきがあり結果に大きく影響したみたい。
ここであってほしい、ここに違いない、ここまで来ただろう、という思い込みや希望的観測は、いとも簡単に人の認知を狂わせて、自然のあるがままの姿を歪ませてしまう。レースで人と競うとなれば尚更かもしれない。自分の感覚が信頼ならないことを過去いろんな場面で何度も痛い目にあってよくよく分かっているので、現在地や方角を見失いやすい地形はあえて避けたり、要所では尾根や谷筋をひとつずつ特定しながら歩く。
トレイルを外れて沢筋を下る
みんな森のなかを縦横無尽に走り回る
ロゲイニング自体も未体験だったけれどルートの作り方は将棋のようなものかなという感覚。序盤は調子をつかむためにあまり戦略を決め込まずにおおまかに先々の選択肢を幅広くとれる方面に進めて、中盤に残り時間や体力をふまえて最適なルートに組み立て直し、終盤はこまめに残り時間を計算してひとつでも高いCPを拾っていく方針に。
また登りでは無理してショートカットせず、下りで重力を使って藪こぎのショートカットをできるようにCPをつないでルートを作るようにすると調子よかった。
性能のあがったGPS端末やスマートフォンが普及して、どこにいようとも瞬時に現在地が特定できる今の時代、どこまで地図読みやコンパス扱いのスキルが必要なのか、はたまたそんなスキルはもう意味のない山の時代になるのかはわからない。もう地図読みでシビアな判断を問われるようなことも、練習する機会すらもあまりないのかもしれない。
それでも必要最小限の寝泊まり道具を背負って、デジタル機器に頼らずトレイルを外れたり戻ったり、どこへ向かってどこまで行くかも自分自身で決められるOMMスコアは、普段のハイクのように自由も満喫できて、祝祭的な雰囲気もあり、意気盛んなハイカーズデポ・パーゴワークスのコンビと最後までデッドヒート(歩いて笑)を繰り広げたり、すっかり楽しめた2日間でした。
Thanks!